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[2721] 新型転換炉「ふげん」運転終了 (17 レス)
2003/03/30(Sun) 00:53:54
しげるぱぱ さん
Web: (none)
ソース
http://www.sankei.co.jp/news/030329/0329sha094.htm
私の知り合いの感想
ttp://hpmboard2.nifty.com/cgi-bin/thread.cgi?user_id=ICF24743&disp_no=402&log_no=402&msg_per_page=10&def=10

>原子炉が安価で環境破壊が無く安全な発電技術だ、なんてどこの誰が言ったのでしょう。

同感。

1. かすが☆。 2003/03/30(Sun) 05:02:28
ふげんは実証用原形炉なんで、発電収入を得るための
発電機じゃないんですが・・・。

ちなみに、ふげんの4525-2065+1000=3460億円というのは
どれくらいかと言うと、他の商用炉を1基で運転するとすれば、
3460/(365-60)=11で、11年運転で元が取れるくらいの金額らしいです。
数字を見るとクラクラしそうな額ですが、
発電屋さんにとっては何とでもなる額なんでしょうね。
うらやましい会社です、発電屋さん・・・。

2. BlackBox 2003/03/30(Sun) 08:50:49
実験用の設備でかかったコストの半分近く回収できたというのはある意味安価なのかもしれません

3. kita 2003/03/30(Sun) 10:44:47
電力会社には「総括原価方式」というオイシイ料金体系が許されています。
   レートベース=電気事業固定資産+装荷中燃料+加工中等燃料+
         建設仮勘定×0.5+特定投資+運転資本+繰延資産
   適正利潤=レートベース×0.08
   総括原価=適正原価+適正利潤
   電力単価=総括原価÷販売予定電力量

 簡潔にのべるなら、既存の設備からいま現在原発の中にある燃料、購入契約済の燃料、建設中の設備の建設費の半分、原発を運用している財政の規模、各種研究費などの総和に8%を乗じた額を利潤として確保できる、ということ。
どれだけつかってもペイされることが決まっているなら、そりゃ大盤振る舞いになりますわ

>ふげんは実証用原形炉なんで、発電収入を得るための発電機じゃないんですが・・・。

ふげんの場合実証炉の前の原型炉で、しかも実証炉にはつながらなかった設備なわけですから、無駄使いといわれたらゴメンナサイと言うべきでしょうね。

4. まさむね 2003/03/30(Sun) 14:40:29
>ふげんの場合実証炉の前の原型炉で、しかも実証炉にはつながらなかった設備なわけですから、無駄使いといわれたらゴメンナサイと言うべきでしょうね。

実証炉にする事が出来なかった様々な原因・環境の変化や実験データ等を得る事ができたでしょうし、実証炉に限らずあらゆる研究開発実験ではお蔵入りや中断は日常茶飯事ですしそれを言い出したら何も出来ません

しげるぱぱさんの知り合いさんの感想も否定的ですが原発だから色眼鏡で見られているのでしょうか

5. BVV5@Vice Admiral 2003/03/30(Sun) 18:53:02
日本は国のやることに反対することが一人前と思っている自称社会運動家とか、評論家ばかりですから、反対って書いてあるサイトは、かなりバイアスがかかっていると思って見ることをお勧めします。
胸部レントゲンの直接撮影で浴びる放射線より少ないレベルの放射線漏洩で大ニュースになります。ましてや、胃のバリウム透視で浴びる量は、年間で受診出来る回数が制限されるほどです。
そのような事実は言わずに、1μベクレルも漏れました、これは一大事ですというのが反対される方々の主張です。なかには私が嫌いだから、原発はだめというのもどこかで見ました。
賛成することが全てではないですし、反対する人の気持ちもわかるのですがそのときの社会情勢ではそういう選択肢しか無かったのですから、うまく現実と向き合うことだと思います。
kyouto.acにある掲示板で原子炉の炉心温度が1000度という記述がありました。これは、火力発電所の燃焼空気の温度に近いもので日本の軽水炉形式ですと、だいたい300度ぐらいで運転しています。しかも温度係数が負なので温度が上昇すると中性子の元気がなくなり出力が低下します。冷却水が有る程度確保できていればまず安全です。(確立論になってきますので)
発電屋さんは、湿った蒸気と呼んで扱いに苦労しています。通常火力ですと、3000rpmで発電機を回していますが、原発は1500rpmです。蒸気が重くて回転数が上がらないのです。その分、流量で稼ぎますのでなんかぶっといパイプに見えて「太い=危険」の式ができあがるようです。

6. しげるぱぱ 2003/03/30(Sun) 19:25:36
ははぁ、実証用原型炉と商用炉とはコストの考え方が違うわけですね?
ふむ、「原子炉は安価かつ(廃棄物以外は)環境に優しい」というイメージがあったので、
件の記事を読んで意外に思い、実は原子力推進派の欺瞞に引っ掛かっていたのか?
と単純に反応してしまいました。

リンク示した知り合いの方も同じような反応ではないかと思います。(推測)
#とゆーか、一般の方の反応は私のパターンに近いのではないかと思うのですが、いかがでしょうか...。

7. Alphalpha 2003/03/30(Sun) 21:06:15
>まさむね さん
>実証炉にする事が出来なかった様々な原因・環境の変化や実験データ等を得る事ができたでしょうし
いや、ふげんは原型といいつつ、もんじゅの設計はふげんの結果がフィードバックされていると言うにはあまりにあまりな設計です。
ふげんが稼働し始めた頃には、全く違う炉型でもんじゅの基礎設計は始まっていたので、原型も何もあったモンじゃないです。
なんのためにふげんを作ったんだとも言いたくなります。

もんじゅは実証炉と呼ばれては居ますが、設計を見ると原型炉とはまるで違う炉になっていて、実質的には実験炉か原型炉にあたるんですよね。
だから、本来はもっと小型の炉を一基作らないと話にならないんですが、組織上の責任問題でふげんがダメだったとは誰も言えず、設計変更の責任を誰も取れずで、もんじゅに実証炉という名前を与えて実証レベルのスケールで作ってしまったのが、後の事故の発端の一つです。

失敗が生かされていないんですよね。それどころか失敗したと云うこと自体認めていない。
きちんと失敗を認めて後に生かすということが欠けている以上、無駄図使いです。
ただ、そうなった理由として、日本人に、実験なら失敗もあって当然という寛容さが欠けているという事実があったりするのも問題なんですが。

>BVV5 さん
金属冷却高速炉だと、冷却材のボイド発生と冷却剤喪失の危険度評価が追加ですぜと。
まぁ、それは置いておいて。
>私が嫌いだから、原発はだめ
反対者の中にPTAのオバサンたちと同類項なヒステリックさは時々感じます。それが余計に原子力を秘密主義に追い込んで、不正の温床を作ってしまったとも。
>300度ぐらいで運転
高温ガス炉が実用化とかすれば熱効率も上がるんでしょうが、原子力自体が斜陽産業になってしまっていて研究とかに元気がないんですよね。

8. sagiyama@RvII 2003/03/30(Sun) 21:55:23
原子炉に勝手に「もんじゅ」とか「ふげん」とか菩薩の名前を付けて事故ばかり起こしてイメージダウンだと、仏教関係者から抗議されていましたね。

9. Casper-01@RTS 2003/03/30(Sun) 22:00:37
菩薩は修行中の身です、如来よりかはまだマシの様な気がします。

#この名前の付け方見ていると、たがみよしひさ先生のGREYみたいな・・・・・

10. kita 2003/03/31(Mon) 01:20:54
>BVV5さん
>そのような事実は言わずに

んん?レントゲンなどの被曝線量の比較の表なんざ、反対派が作っている資料には良く載っていますぜ?原発関係の論議は、技術的レベルでの反対派VS核燃双方の物理学者の公開討論が何度ももたれているし、「気分で反対」しているとは到底言えない内容をもっています。
先日の「もんじゅ」の設置許可無効確認訴訟などは、蒸気発生器細管の脆弱性をめぐる論議や、2次冷却系3系統が道連れになった場合の炉心冷却装置の能力が、炉心内の崩壊熱をナトリウムが沸騰する前に作動して熱を除去するのにはかなりきわどいことなどが含まれていて、相当に高度なものでした。

>社会情勢ではそういう選択肢しか無かった

というのはいかなる根拠に基づくのでしょうか?原発を作るようになった政治的過程や、手厚い電力産業への保護などを見ると、そこになんらかの意図を読みとることは可能でも「社会的な必要に迫られて」という感じは受けませんねぇ。

11. kita 2003/03/31(Mon) 01:29:37
ちなみに、「ナトリウムが沸騰」というのがなぜ問題かと言うと、もんじゅの場合、ボイド効果が正である、つまり気泡の発生が原子炉内の反応を増大させる効果がある、ということによります。もんじゅでこれが起きたら・・・。

#しばらく前まで科学技術庁や電力会社は「絶対安全」と言っていました。今では「どんなものにもリスクはある」と言っています。

12. kita 2003/03/31(Mon) 01:44:06
軽水炉の場合、最大の事故は冷却材喪失、ですね。BVV5さん指摘のとおり冷却材が炉を浸していれば、まず(暴走しないという意味で)安全です。ただし、冷却材が一旦失われたら、かなりヤバイです。再注水は炉心を破壊する可能性があります。ほっといても死の灰の崩壊熱で過熱されていきますから、いずれ融けることになります。これが原子炉格納容器を破壊するのがいわゆるメルトダウンです。この前の事故は、緊急炉心冷却装置のパイプが失われたから問題になったわけですね。

#反応性の論議は、結構ややこしいです。原子核への衝突確率は中性子の速度に相反しますが、中性子の速度は核分裂時に放出される次の中性子の個数におおよそ正の相関があります。これと、炉の表面積等を考慮に入れて、炉の反応が変化した時にかかるフィードバックを判定します。軽水炉では負、高速炉では正です。
(資料を見ずに書いているので間違いがあるかもしれません)

13. kita 2003/03/31(Mon) 01:49:33
>まさむねさん
>お蔵入りや中断は日常茶飯事

もちろんそのとおりです。ただしどれだけの必要があるか、それに見合う範囲のコストなのか、ということを考慮せねばなりません。原発の場合、わたしはアクセプタブルだとは思いません。

14. まさむね 2003/03/31(Mon) 11:24:51
>kitaさん
色々な意見があるでしょうし電力産業への保護なり癒着なりさまざまな要因があったとは思いますが「ふげん」の臨界が1978年ですよね

となると計画は1960年代後半から70年初頭といったところでしょう

当時はまだ高度成長期であり電力・石油といった資源消費量も右肩上がりに増えますし世界的に見ても今後増える傾向でありました
さらに原油の可採年数が30年といわれていました
(現在の可採埋蔵量を生産量で割った数字を可採年数)

そして1973年(昭和48年)10月にぼっ発した第4次中東戦争を機にオイルショクが起こり、当時の原油の中東依存度は77.4%でしたので日本は非常に大きい影響を受けました

当時の社会情勢、火力以外での現実的な発電方法・技術等考え合わせるとベストではないにせよベターに選択肢だったと思います

今現状で日本では海外のような悲惨な事故は幸いにして起こっていない訳ですし電力事情も安定した20数年でした

日本は2000年度の原油の中東依存度が87%とオイルショックの頃より上がっていますし今だけではなく、これからも中東情勢は不安定な可能性が高いです

子供世代の為にも色々な発電方法の研究・実験は必要ですしその選択肢としての原発は日本では必要(だった)と思います


友人で火力発電で酸素を消費し地球レベルで環境破壊するくらいなら原発でたまに地域レベルで破壊される程度のほうがマシと言い切る人もいますがそこまでは達観できませんけどね(笑

15. Kousuke Shibasaka 2003/03/31(Mon) 13:34:22
今のイラク情勢を考えると火力発電に頼りすぎるのはリスクが高い,その一方で原子力発電は安全性が担保されていないという「板挟み」的な状態ではないかと。
その割には自然エネルギーの利用についての研究がなかなか進んでいないように見受けられます。

16. i96968 2003/03/31(Mon) 13:54:26
私が原発の安全性という言葉を聞いたときに真っ先に危惧するのは、通常稼働でのトラブルではなく、有事なんですよね。通常稼働時のトラブルは、(神話に基づく隠蔽体質を除けば)現在の原発ではほぼ問題ないレベルだと思います。
日本では有事というと、何故か中東ばかり考え、日本本土が戦闘に巻き込まれることを考えません(これも平和ボケの一種ではないかと思うのですが)。

日本の防御力では、空襲や強襲は防げないかと。現在の日本の原発はほぼ丸腰。で、柏崎刈羽や美浜なんぞやられたら、最悪北西の季節風に乗って‥‥通常弾頭が核弾頭に化けてしまいます。劣化ウラン弾の比ではありません。そういう点ではまだ火力の方が有事には強いのではないかと。安全に原発を稼働するには、日本自体が狭すぎると思います。

#低レベル廃棄物や、廃炉の解体廃材の問題も未解決ですし。

17. BVV5@Vice Admiral 2003/03/31(Mon) 22:58:51
ふげんは炉の形態が異なりますが、軽水炉のECCSは結構よく考えられていると思います。これが、本格稼働してしまうとその軽水炉は実質廃炉同然になりますが、停止は可能です。
このとき一番怖いのは、なんとかしようとして動作を止めてしまう人災でしょう。
日本という狭い国土では、何をするにしても危険があります。便利さと引き替えに危険なことをしているわけで、江戸時代にエネルギー消費を戻せばきっと綺麗な空気で、綺麗な水で暮らせます。ただ、3000万人ぐらいしか養えないと思います。


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