4. へたれ目医者 2000/10/08(Sun) 01:34:27
ebiさん、退院おめでとうございます。お大事になさってください。
眼内レンズに表面沈着物が付くのは稀です。白内障の手術をする際に元々水晶体が納まっていた嚢を残して、その嚢のなかに眼内レンズを固定するのが普通なのですが、1/2〜1/3くらいの人は嚢に混濁が起こってきます。これを後発白内障というのですが、細胞の遊走が起こって出来る物です。眼内レンズに付着するものでもなければ、脂肪ではありません。
最近は、眼内レンズのエッジの形状によっては細胞の遊走を阻止して、後発白内障の発生率に関係しているといわれています。材質も関係しているらしいのですが、後発白内障が少ないといわれていた材質で出来た眼内レンズの後発白内障発生率が非常に大きかったそうです。
後発白内障は、レーザー(YAGレーザー)で濁った嚢を破って視力を確保するのですが、レーザーも手術扱いになります。レーザーで破ってしまえば、濁ってくる嚢はもうないので、繰り返す必要はありません。
ebiさんの場合は、眼内異物が後嚢まで突き破ってると思われるので、眼内レンズは元々水晶体があったところの前の部分に、残った嚢の一部にかかるように固定しているか、糸で縫いつけていると思われます。瞳孔を通して目の中に入ってくる光の通り道の中心は濁ってくる嚢は残ってないはずなので、後発白内障は起こりません。残してたら起こるかもしれませんが。
ただし、角膜を穿孔して異物が侵入しているので、角膜自体が不正になっているので、それが原因で視力が怪我をする前のように改善しないかもしれません。それと、角膜の透明性を保つ角膜内皮を痛めている可能性があり、このために視力低下を来す場合があります。これは進行したら角膜移植しかないですけど、ちゃんと内皮細胞の状態はモニターしてくれていると思います。
眼内レンズに表面沈着物が付くとすれば、考えられるのは、糖尿病があるか、目の中に炎症性疾患があって元々炎症が長引きやすい目であるか、あるいは最悪の事態です。
あと、若い人が白内障手術すると困るのが、眼内レンズはピントを合わせる機能がないので、極めて強い老眼と同じ状態になることです。基本的に、近視に合わせて、遠いところは近視の眼鏡を使ってもらうことになると思います。
ちなみに、白内障手術は美学を追求することモットーとされている術者もいるので、自分の美学に合わなかったり、手術時間がいつもよりかかっただけで、気に入らなかったりすることもあるそうです。